ぽこぺんです。
米中の貿易摩擦はますます加速しており、終わりは見えない状況になっています。今週月曜日に中国が米国をWTO違反で提訴すると発表しました。
これは米国が9月1日から関税第4弾として、中国からの輸入品1100億ドル分に15%の関税を設けたことに対する対応で、現時点で米国は中国から輸入するほとんど全ての商品で関税を引上げ又は発動したことになります。
当初第4弾で予定されていたスマートフォンなどの一部の製品については、関税を年末まで引き延ばしており、現時点では発動されていませんが、米中協議の再開が見通せない中で、年末までの時間はあまり残されていません。
そもそも米国は中国と本気で経済戦争を始めているので、貿易交渉による和解など望んでいないのではないかという気もします。
それはさておき、気になるのは米国の株価です。
NYダウは今年7月に史上最高値となった27359.16ドルを付けました。
米中貿易戦争が叫ばれる中で、かつ経済指標の悪化も見受けられ始めた中での史上最高値更新となったのです。
過去のリセッション局面を眺めると、株価が高値を付けてからリセッションによる株価下落が始まるまでにはタイムラグがあるようです。
その期間は意外に長く1年~2年程だそうで、今回もそれが当てはまるとすれば、もうしばらく現在の株価が続くか、株価が更に上昇することもあり得るのです。
ぽこぺんの実体験で言うと、リーマン・ショックが起こる1年ちょっと前、2007年の夏を思い出します。
当時ぽこぺんは大学生で、夏休み中だったのですが、フランスのBNPパリバがもつ投資ビークルと呼ばれたファンド(BNPパリバの簿外)が突如としてファンド解約を停止するというニュースがありました。
実際にはこの時からサブプライムローンの問題や景気悪化についての声は上がっていましたし、実際に経済指標の悪化も見て取れたわけです。
しかし、住宅バブルに沸いている市場では楽観論が支配的でした。
また、当時はBRICsと呼ばれる新興国が顕著な経済成長を見せていたことから、仮に先進国で不況が生じたとしても需要が旺盛な新興国が成長のエンジンとなって世界経済を牽引するので、深刻な不況には陥らない、という先進国と新興国を分けて考えるデカップリング論をよく耳にしました。
それから1年2カ月後の2008年10月、リーマン・ブラザーズが破綻したことで株価は大暴落します。
当時14,000~15,000ドルだったNYダウは7,000ドル台にまで暴落したのです。
このような経験があるので、ぽこぺんとしてはいつ暴落があってもおかしくない局面だと思っています。
しかし、株価はいつ落ちるかわかりませんし、暴落が始まる1~2年の間は更に一段の株高の可能性もあるので定期的な購入はやめません。
キャッシュポジションを厚めにしつつ、暴落の可能性を心に留めておきます。
なお、リーマン・ショック時はデカップリング論ははずれとなりましたが、中国は4兆元の財政出動を行い、FRBやECBは利下げに動いただけでなく、資産の買入プログラムを発動しました。いずれも過去に例のない手段・規模でした。
しかし今、リーマン・ショック起こったら、利下げはできるのでしょうか?
マーケットにインパクトのある政策をどれだけ打ち出せるのでしょうか?
巨額の財政出動を行う国はどこなのでしょうか?
そしてなにより、世界は協調して対応できるのでしょうか?
米国の景気拡大局面は11年に渡り、過去最長となっています。
これが崩れたときに対応する手段がリーマン・ショックが発生した11年前よりもかなり少ないのではないかと心配します。
次の景気後退局面はリーマン・ショック時よりも長引くのかもしれません。
小さな一歩でこつこつと。