日本の銀行株に未来はあるのか?

ぽこぺんです。

 

日本の中央銀行である日本銀行は半年に1回『金融システムレポート(FSR)』というものを公表していますが、先日2019年4月の金融システムレポートが公表されました。



FSRでは国内外の金融情勢や各種のリスクなどについて記載されますが、今回のFSRでは国内銀行について、非常に厳しい方向がなされています。

 

銀行については、所謂都市銀行と呼ばれる大きな銀行と、地方銀行に大別されます。

 

まず、全体的な傾向としては、銀行が国内では稼げなくなっているということです。
その理由としては、そもそもお金を借りようとする人や会社が少ないということが挙げられます。



この傾向は特に地方で顕著になっており、過疎化が進む地域では銀行経営が苦しくなっています。


次に、借り手がいないなかでどのように稼いでいるのかについてですが、不動産業向け貸出、有価証券運用、海外への貸付けで利益の穴埋めをしています。


国内の不動産市況については、バブル期のような過熱感はないとしながらも、GDP比で見ると、トレンドからの乖離はバブル期以来としています。


どういう意味かというと、GDPは増えていないのに不動産市況は上昇しているということです。この点については注意が必要としています。


スルガ銀行のマンションオーナー向けの不正融資が問題になったことは記憶に新しいですが、不正はなくとも銀行によるこうした不動産業向け融資の拡大は全体的な傾向なのです。

 

日銀 金融システムレポート 2019年4月より

また、地方銀行は国債の金利がほとんどつかない状況で、投資信託などの有価証券運用を拡大しており、都市銀行はレバレッジド・ローンと呼ばれる信用格付けの低い先への融資を海外で拡大しています。



今回のFSRで、銀行の収益が全体的に不安定になっているということがわかります。収益が不動産関連に偏っていたり、有価証券運用や海外でのレバレッジド・ローンの拡大は、いざリセッションに入ると銀行に大きなダメージを与える可能性があります。


いま、銀行業界は異業種参入、FinTechやデジタライゼーションなどの新技術の進展、国内の人口減少による資金需要の減退、低金利による運用難とまさに四面楚歌といえる状況です。


FSRの中では経営統合やアライアンスを有効な選択肢として挙げており、これは特に地方銀行に対して他の地方銀行との経営統合を示唆しているとも思われます。


なぜなら、地方銀行をはじめとする地域金融機関の低収益には金融庁も危機感を持っており、既に地方銀行の約半分は本業の儲けである業務純益が赤字に陥っているからです。


数年後には地方銀行が合併等で続々となくなる、経営が立ち行かなくなるということが徐々に現実味を帯びてきているように思います。


そもそも銀行業が大きく利益を出せるのは、人口が大きく増加する時期や国民の平均年齢が若いときです。これは、産業の発展や個人消費の盛り上がりによって
資金需要が拡大するからです。


今の日本の状況を考えると、少なくとも国内事業で銀行が収益を大きく伸ばす未来はしばらく来ないことがわかります。
もはや銀行神話は過去のものと思っておいたほうがいいのかもしれません。


小さな一歩でこつこつと。

投稿者: ぽこぺん

30代既婚で子供は1人で夫婦共働き。 「金持ち父さん貧乏父さん」に影響されて、副業と投資による資産形成を決意! アーリーリタイアを目指して副業と投資で資産を作ります‼ 月に数万円しか投資に回せない一般的な会社員が、本当に副業と投資で資産を作り、アリーリタイアできるのか? 日々資産形成について勉強しながらの、リアルな副業・投資をお伝えします。

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