ぽこぺんです。
以前、債券についての商品性を確認しましたが、今回は投資信託についてみていきたいと思います。
最近は銀行でも投資信託を販売しており、定期預金の満期の際などに勧められたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、書店でも投資信託についての本はたくさん売ってますし、投資の非課税制度であるNISAでも投資信託の購入ができます。
投資信託の仕組み

投資信託はファンドとも呼ばれますが、基本的な構造として、
①投資家からお金を集め
②そのお金を使って運用し
③投資成果が投資家に帰属する
という仕組みです。

例えば、上の図ではAさんとBさんから10万円を集めて、集まった10万円で運用したところ、12万円になり、2万円の利益が出ています。
投資信託に投資するときは何口数購入するというように、口数で投資単位を表し、1口当たりの値段を基準価額(きじゅんかがく)と呼びます。
日本で販売されている投資信託の多くは、最小1万口から1口単位で購入可能で、投資信託設定時は1口1円で始まることが多いようです。
また、通常は1万口あたりの値段を基準価額として表示しています。
上の図で言えば、1年後の値段を表示するときは《Zファンド 12,000円》というように表示されます。
投資信託のメリット
投資信託協会では投資信託を購入するメリットとしては、
①小額から投資可能
②分散投資ができる
③専門家による運用
④高い透明性
の4つを挙げています。
確かにその通りですが、ぽこぺんの個人的な意見を言えば、個人では投資しにくい資産に投資できるのもメリットです。
例えば、大手証券会社では米国の低格付債券で運用する投資信託が一時期はやりましたが、低格付債券に個人で投資するのはなかなか難しいと思います。ぽこぺんが知る限りでは、日本の証券会社で個人向けに米国の低格付債券そのものを販売している会社はないです。
投資信託のデメリット
デメリットという言い方は正確ではないかもしれませんが、保有コストとして「信託報酬」がかかります。
これは、預けたお金を運用してもらうために運用手数料を払うということです。
例えば、運用報酬が年間1%の投資信託を100万円購入し、1年後に110万円位なった場合、およそ1万1千円が引かれているということで、実際の資産額は110万円から1万1千円引いた108万9千円になるということです。
ここで問題なのは、運用が上手くいって利益が出た場合だけでなく、損が出ていても信託報酬は引かれるということです。
上の例で行けば、100万円が90万円になっても、1%に相当する9千円が引かれ、実際には89万1千円になるとういことです。
投資信託の注意点
最後に、注意点が2つあります。
一つ目はメリット③で述べた「専門家による運用」です。
多くの金融機関で、特に投資初心者相手に「プロが運用する」「専門家に任せればいい」という宣伝文句が使われますが、初心者は「プロだから利益を出してくれる」と勘違いしてはいけません。
これは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の担い手が上手い運用・下手な運用をするということが言いたいのではありません。
基本的に投資信託はベンチマークと呼ばれる目標となる指標を定めており、ファンドマネージャーはそれを目標に運用します。
例えば、日経平均をベンチマークにすると、1年間で日経平均が10%上がった場合、運用している投資信託も10%値上がりしていれば、そのファンドマネージャーは並みの腕前ということです。
仮に15%値上がりしていれば、運用が上手く、5%しか値上がりしていなければ運用が下手な人ということになります。
では、ベンチマークがマイナス10%の時はどうでしょう?
なんと、10%の値下がりをさせたファンドマネージャーは並みの運用成績と評価され、マイナス5%の値下がりで踏みとどまったファンドマネージャーは優秀であると評価されるのです。
自らお金を投資する立場で言えば、マイナス5%でも10%でも、プラスでなければ損をしたという意味では同じに見えてしまいますが、金融の世界では運用成績がマイナスでも優秀だと評価されることがあるのです。
従って、マーケットが悪いときなどは、マイナス5%の運用成績でも「いい商品ですよ」と金融機関の人は進めてくるわけです。
二つ目の注意点は分配金です。

もう一度この図で説明しますが、投資信託では分配金を出すことが出来ます。
分配金には、
①普通分配金
②特別分配金
の2種類があります。
例えば、上の例では1年後の12万円のうち2万円を分配金として投資家に分配したとすると、これは普通分配金です。
ところが、12万円のうち6万円が分配されたらどうでしょう?
6万円のうち2万円は運用による利益ですが、残りの4万円は当初投資家から預かったお金を返金しているだけなのです。
これを特別分配金(元本払戻金)といいます。
少し前まで、毎月分配型投資信託という商品が証券会社の主力商品の一つでしたが、毎月一定の分配金を出すために特別分配金を出している投資信託がたくさんありました。
お腹が減ったタコが自らの足を食べるように見えることから、「タコ配」などと呼ばれていましたが、最近は金融庁の指導などもあり、毎月分配型投資信託は減ってきています。
とはいえ、毎月分配型でなくとも特別分配金が出る可能性はありますので、分配金の元が利益なのか、元本の払い戻しなのかは注意しておく必要があります。
ぽこぺんは信託報酬を取られるのがなんとなく損した気分になるので、株そのものを買っています。とはいえ、その分個別株をもつというリスクが発生してしまいますますが。
ご参考になれば幸いです。
小さな一歩でこつこつと。