ぽこぺんです。
今年のはじめ、まだ日本がお正月気分に浸ってFX取引が閑散としている中で海外勢による円買いが発生してドル円レートが瞬間的に104円台をつけるとうフラッシュ・クラッシュと呼ばれる現象が発生しました。
その後、ドル円レートは年明け前の水準にすぐに戻ったのですが、8月に入って米中貿易摩擦による世界経済の減速・リセッション入りが意識され、米国の利下げなどの影響もあって、年明けの104円台まで円高が進んできました。
一方で、この円高はまだまだ続くのではないかと思います。
メディアでは少し前までの為替の水準と比較してすぐに円高だとか、切りのいい100円をなどの数字を目安に円高が進行しているということが言われますが、日本と米国の物価を基に為替を見ると、1ドル90円前後が妥当だともいわれます。
これはどういうことかというと、インフレが進んできた米国とデフレが続いた日本で同じものを買う場合、ドルベースで払う額は増えているのに対して、日本円ベースで払う額は減っていることに起因します。
具体例でいうと、マクドナルドのハンバーガー1個が日本で100円、米国で1ドルの場合、同じハンバーガーなので1ドル=100円となります。
しかし、インフレが進むアメリカでは、時間の経過とともにハンバーガーの値段は上がるので、1個2ドルになったとします。
一方日本はデフレなので、時間の経過とともにハンバーガーの値段は下がって、1個80円になったとします。
すると、同じハンバーガー1個が米国では2ドル、日本では80円なので、80円÷2ドル=40円となり、1ドル40円となるという考え方です。
上記の例は極めて極端ですが、インフレの進む国の通貨とデフレの進む国の通貨ではデフレが進む国の方が通貨が高くなる、つまり円高になるのがセオリーです。
さらに、通常であれば極端に円高が進むと日銀が円売り介入(中央銀行が円売り・ドル買いの注文を大量に出すことで、円安ドル高状況を作り出す)して円高の抑制をすることがあるのですが、政治的にそれはできそうにないのです。
そもそも、日本の様に自由経済の国においては、為替はマーケットに任せるのが大原則で、例えば中国の様に政府が為替市場に介入し続けることはありませんし、それは資本主義国全体のルールでもあります。
米国のトランプ大統領は為替介入で中国が自国通貨の元を安く誘導していると非難して、中国を為替操作国に認定してしまいました。IMFが中国は為替操作をしていないと公表しているにも関わらずです。
中国の元安を米国が批判している中で、日本が為替介入してドル高円安にすることが出来るでしょうか?
現実的ではありません。

日本が最後に為替介入したのは2011年です。
これは、リーマン・ショックの傷が癒えぬ中で2011年に東日本大震災が発生し、更なる円高が進んだためで、この時は日本だけでなく世界の主要中央銀行が日銀と一緒に円売りの為替介入(協調介入)をしてくれました。
自然災害という大義名分を持って、各国の理解を得たうえで行ったわけですが、逆に言えばリーマン・ショック後に1ドル80円まで円高が進んでも介入はできなかったわけです。
以上で述べた通り、まだ円高は続くと思っています。
しかし、上のチャートでもわかる通り、余程のことがない限り90円~80円の間が円高のピークだと思います。
100円を切る位であれば淡々と株を買うために米ドルへの両替を進めますし、90円を切る水準まで円高が進んでくれば、ぽこぺんも久しぶりにFXに参戦(少額でしょうが)するかもしれません。
もちろん株も続けますが。
長期的には日本は高齢化が進み、経済力も他国に抜かれていく可能性が高いと思いますが、そうなれば円は他国の通貨に比べて安くなります。
経済力が弱い国の通貨が高いということはありえません。
そうすると、長期的視点に立てば円高局面というのは今後だんだんと減っていく、または円高といっても1ドル100円とか110円の水準とうい未来もあり得ると思います。
資産を分散して持つこと(日本円の資産、米ドル等の他国通貨の資産)を心掛けつつ、円高には円高の、円安には円安のそれぞれに見合った投資を行えるようになりたいものです。
小さな一歩でこつこつと。