ぽこぺんです。
高配当株投資家の間で有名なジェレミー・シーゲルの著作『株式投資の未来』を読んでみました。この本は米国株投資家の中でも高配当株をメインにいている方々の中ではかなり有名なようで、彼らにとってはバイブルのような位置づけのようです。また、その表紙の色から赤本とも呼ばれているようです。
ぽこぺんがこの本の存在を知ったのは、よく見るブロガーさん達が本書について記事にしていたからです。 著名ブロガーさんで本書を参考に投資をしている方が多いように感じたので、興味を持ったということです。
どんなことが書いてある本?
ぽこぺんなりに本書の概要をザックリまとめるとこんな感じです。
・新興企業は株価が高くなるがゆえに割高で配当利回りが低い ・割高ゆえに配当再投資をしても所有株数の増加は少ないい ・逆に高配当株は配当再投資による所有株数の増加は多い ・配当再投資による株数増加&増加した株の配当金が大きなリターンを生む ・長期で見るとそのリターンはS&P500を上回る
これらを個別株の1957年から2003年までの約50年のデータを元に導き出したということで、説得力があると思います。
この中で、著者の調査によるもっともリターンが大きかった銘柄がフィリップ・モリスだったため、多くのシーゲル流を実践する投資家が高配当のアルトリア・グループの株を買うわけです。 ※フィリップモリスは米国事業をアルトリア・グループ【MO】が、アメリカ以外の地域での事業をフィリップ・モリス・インターナショナル【PM】が行うという分社化をしています。
セクター別のリターンについて
本書によると、S&P500のセクターにおいて、調査期間中最もリターンが大きかったのはヘルスケアセクターで、その次が生活必需品セクターでした。なお、上述のフィリップモリスは生活必需品セクターに分類されています。
逆に最もリターンが小さかったのは素材セクターで、低価格化の国際競争に勝てず、日本企業等が米国に進出することで凋落してきました。
ここで興味深いのは、時代の流れによってS&P500に占める各セクターの割合は変わりますが、全体に占める個別のセクターの割合が大きくなったからと言って、そのセクターが大きなリターンをもたらすわけではないということです。
例えば、金融セクターは2003年に全体の約20%を占める最大セクターですが、1957年はわずか0.77%を占めるだけの最小セクターでした。 では、約半世紀の間に最大セクターとなった金融セクターの同期間でのリターンはというと、平均して10.58%です。 これは、S&P500平均の10.85%を下回るリターンなのです。
黄金銘柄に投資しよう
シーゲルは投資家に大きなリターンをもたらす素晴らしい銘柄を黄金銘柄(コーポレート・エメラルド)と呼んでいますが、それらに共通する特徴は、 ①市場平均をわずかに上回る程度の収益期待しかされていない ②ほぼ例外なく、配当を払い続け、増配に努めている ③信頼される確固たるブランドを持ち、世界中の市場で成功している としています。
とかく、今の世の中はハイテク株が注目されがちで、GAFAと呼ばれる米国IT株や、今年上場が予定されているUberなどが今後も注目されそうですし、個人的にも魅かれる銘柄です。
でも、そういう時でも本当に投資によるリターンが長きにわたって出るのか?とうい視点と、期待だけが先行していないかということには注意したいものです。
本書にはまだまだ多くの教訓が著されていますが、今回はここまでとします。コーポレートエメラルドを手に入れるためにも、まずは信頼できる会社の株を買ってみてはどうでしょう?
小さな一歩でこつこつと。