【金利上昇】なぜ株価は下がるのか

ぽこぺんです。


22日の日経平均株価は600円を超える大幅下落となりました。
この記事を書いている段階では同日の米国株がどうなったかはまだ分かりませんが、大きく下げて終わったんですかね?

この理由は19日にFRBが公表した米銀への「補完的レバレッジ規制(SLR)」の緩和措置を3月末で終了することを決めたことによります。
元々はコロナ禍を受けて一時的に規制を緩和していたので、規制を厳しくしたというものではないのですが、市場は緩和措置の延長を期待していただけに、市場にネガティブな影響を与えました。

で、SLRとは何か?ですが、簡単にいえば、米銀が購入できる米国債の量が規制されています。
しかし、この規制を一時的に緩和することで、米銀は通常の規制時よりも多くの米国債を保有することが出来たということです。

しかし、この規制が通常に戻ることで、いつも通りの保有量に戻さなければいけなくなりました。
つまり、余分に保有していた米国債を売らないといけなくなったのです。
多くの投資家(米銀)が国債を売れば、国債の価格が下落しますが、債券の価格は利回りと逆に動きますので、米国債価格の下落は金利の上昇となります。
そして、金利の上昇は株価に悪影響となるため、株価は下がるということになります。

って当たり前のように言われるのですが、今日は改めてここを少し詳しく説明します。
参考例として、3年満期の債券(利息の支払いは年1回と仮定)を考えてみます。
そうすると、債券価格は以下の式で表されます。

債券の利息は通常は固定利率ですから、利息の額は①~③まで同額です。
そして満期時に元本が償還されますから、最後の利息の受け取りと同時に元本が返済されます。

例えば、債券の額面100円につき利息が5円で、割引率が5%(1+0.05=1.05)だとすると、この債券価格は以下の様になります。

ためしに計算してもらえれば、100円という数字が正しいということが分かると思います。

さて、債券の価格が上がるとどうなるか。
式で表すと以下の様になります。

利息は固定(定額)されている中で債券の価格が下がるわけですから、割引率である右辺の分母は大きくなることになります。
そうしないと右辺と左辺のイコールが保てませんね。

そして、この大きくなった右辺の分母こそが長期金利になるわけです。

ここでようやく本題ですが、なぜ株価が下がるのか?
式で表すと以下の様になります。

基本的には債券と同じです。
異なるのは、株は債券の様に満期が無いので、原則として(倒産しない限りは)右辺の式が無限に続くということです。
結局、株も債券同様、割引率(=長期金利)が上がれば株価が下がるということです。

債券利息と異なり、株の配当は一定ではないですが、配当がいくらであれ、割引率が大きいほうが小さい時より株価が低くなります。
また、無配株はどうなのか?という疑問については、上の式の配当がなく解散価値を割引くと考えてください。

会社を解散して、資産を全て売却した時に1株あたりいくらの払い戻しがあるかを使って計算するということになります。

この割引計算は金融の世界では極めて基本的な考え方ですが、日常生活で教えてくれる人はいないのでしっかりと理解しておくと非常に有用です。

小さな一歩でこつこつと。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

投稿者: ぽこぺん

30代既婚で子供は1人で夫婦共働き。 「金持ち父さん貧乏父さん」に影響されて、副業と投資による資産形成を決意! アーリーリタイアを目指して副業と投資で資産を作ります‼ 月に数万円しか投資に回せない一般的な会社員が、本当に副業と投資で資産を作り、アリーリタイアできるのか? 日々資産形成について勉強しながらの、リアルな副業・投資をお伝えします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。