ぽこぺんです。
日経新聞によると、個人投資家の金投資が人気化しているようです。
個人投資家は純金積立や投資信託での金投資の人気が高まっているということです。
金価格もNYの金先物価格が7年振りに1,700ドルを超えて推移しています。
この背景にはコロナ禍による景気の先行き不安とくすぶる感染第2波への警戒感の裏返しです。
この背景にはコロナ禍による金融緩和を受けて金市場にも緩和マネーが流入しているという事情があります。
金融緩和であふれたマネーは株式市場に流入しており、現在の株価急回復を支えている面がありますが、将来のインフレや金融緩和の長期化を見越して金を買うという投資家の行動も誘発しています。
大規模な金融緩和は世の中に流通するお金を急増させますが、経済そのものは停滞している中でモノ・サービスは同じようには増えない(拡大しない)ことになりますので、将来的にはインフレ(モノやサービスの値段が上がる)になる可能性があります。
また、当初予想されていたものと異なり、コロナ禍は長期化しそうだという予想が投資家の間で膨らみつつあり、「コロナ禍の長期化=金融緩和の長期化」という図式の下で暫く金利は上がらないと考えているようです。
なので、金利が高ければ金利が付かない金への投資需要は減るものですが、現在はその逆の現象が起きています。
そうした状況を見て金への投資を考える方もいるかもしれませんが、金への投資方法は大きく以下の3種類に分類できます。
①金の現物(金の延べ棒、金貨など)への投資
②金ETFへの投資
③金鉱株への投資
①は簡単に言えば金そのものを買うということです。
純金積み立ては正にこの方法です。ぽこぺんも月々5,000円ずつ金とプラチナに積立投資をしています。
②は金ETFと言われる有価証券を買う方法です。
有名なのは【GLD】(SPDRゴールドシェア)などでしょうか。
これらのETFは金価格をベンチマークとして価格が変動します。
③はバリックゴールド【ABX】やニューモントマイニング【NEM】といった銘柄です。
日本株で言うと住友金属鉱山(5713)などでしょうか。
これらの会社は金を採掘している会社です。
個人投資家が金投資をする場合、①の方法をイメージしがちですが、実際には3種類あるということを知っておきましょう。
そして①~③の中で最も経済的なリターンが大きいのは③の方法だと言われています。
まず①は現物資産としての金の管理コストと金価格のスプレッドがあるため、コストが大きいというデメリットがあります。
管理コストは、年間〇〇円というようにお金が取られます。口座管理料という名目の場合もあるようですが、ネット証券ではそういうものがないのとは対照的です。
また、FXと同じような仕組みですが、同じ瞬間に金を買う場合と売る場合では価格に差があります。
例えば、1gの金を買う時は6,000円支払う必要があるのに売る時は5,800円というようなことになります。
これは、ザックリ簡単に言えば業者間で金が5,900円で取引されている場合に、顧客(個人投資家)には業者取引価格より100円高く売り、100円安く買いとるということを行っているからです。
金の現物は上場して取引されているものではないので、形式上は業者(例えば田中貴金属とか三菱マテリアル)と投資家の間での相対取引となるので、この様な取引となります。
②は金価格の指標への有価証券投資ですから、S&P500のインデックス投資などと同じで、①ほどのコストは掛かりません。ネット証券であれば米国株投資とコストは同じはずです。
ただし、金への投資なので配当金などのインカムゲインはありません。
純然な金価格に対する投資という意味では、個人的には一番プレーンな金投資だと思います。
最後に③ですが、金価格が上がる局面では最も有利とされているものになります。
これは、金を採掘する会社の採掘コストは概ね一定ですが、価格が上がれば上がった分だけ採掘会社の利益が大きくなるのです。
例えば、1gの金を掘るのに1,000円かかるとして、金価格が5,000円から6,000円に上がれば利益は4,000円から5,000円に上がります。
これだけ聞けば②と変わらないように聞こえますが、②はあなたの取得価格が損益の基準になりますが、③では採掘会社のコストが損益の基準になります。
つまり、普通に考えればあなたの取得価格が採掘会社の採掘コストを下回ることはないので、③の方が有利な投資となります。
なお、金の取引価格が採掘コストを下回ったばあい、採掘会社は操業を停止しますので、金の供給が止まり金の価格は下落しづらくなります。
ただし、個別企業への投資となりますので、企業の倒産リスクという②にはないデメリットはあります。
このような理由から、純粋に金銭的な利益を目指すなら③です。
個別企業の倒産リスクを回避したいなら②がおススメでしょう。
余談ですが、なぜぽこぺんは①の投資方法を採っているのか?という点についてお話しすると、金は最後のリスクヘッジという位置づけにしていることと趣味という2点があるのです。
最後のリスクヘッジとは、大災害や戦争などに直面した際にも使える資産という意味です。②と③はあくまでペーパーアセットであり、持ち歩くこともできなければ何かと交換することもできません。
その点現物資産は持ち歩くことができます。
古くから金を指輪やネックレスにして身に付けておくという習慣は戦災を生き延びるために行われていたとも言われます。今でも欧米では成人するまでの間、誕生日毎に1枚の金貨を子供にプレゼントして、成人に合わせて子供に渡す習慣があるとか。
もちろん、戦争などの事態に巻き込まれないことが一番ですが、いざという時には金にそのような使い方があるということを知っておいてもいいでしょう。
もう一つは金の延べ棒を手にしてみたいいという完全な趣味です。
でも誰もが憧れたことはあるのではないでしょうか?
小さな一歩でこつこつと。
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