ぽこぺんです。
先日の日経新聞電子版で「忍び寄る世界デフレ 慢性化回避、時間との戦い」という記事がありました。
記事の大要は、新型コロナウイルスの感染拡大による消費マインドの冷え込みによって、世界的に物価が大幅に低下する見通しだというものです。

一方で、同じく日経新聞電子版がフィナンシャルタイムズの記事を転載して「コロナ対応刺激策にインフレリスク 一部投資家指摘」という記事もありました。
こちらは、一部のエコノミストなどがコロナ対策としての経済対策によってインフレとなるリスクがあることを警戒しているという記事です。
記事ではインフレ論者は少数派としながらも、モノやサービスの供給が減少しているのに、経済対策で世の中のお金の量が増えているためインフレになる可能性があるという理論を紹介しています。
さて、ニュースや新聞でよく聴く「インフレ」と「デフレ」とはどういう意味でしょうか?
一般的な説明として、
インフレは物価(モノやサービスの値段が上がること)、デフレはその反対で物価が下がることと説明されます。
でもこれってイマイチよくわかりませんよね。
簡単な例で説明してみます。
インフレ(インフレーション)
今年新発売される最新のiPhoneの定価が10万円だとします。
当然、iPhoneを買う時には10万円を払わなければいけません(税金等の他の費用はないものとします)。
例えば年5%でインフレが進んでいる場合、来年新発売されるiPhoneを買う時には10万5千円必要になります。
10万円×5%=5千円
だけ、前年よりも5%分モノの値段が高くなるのです。
デフレ(デフレーション)
デフレはインフレの逆ですので、今年新発売される最新のiPhoneの定価が10万円だとして、年間5%デフレが進んでいる場合、来年新発売されるiPhoneを買う時には9万5千円で購入できます。
10万円×5%=5千円
だけ、前年よりも5%分モノの値段が安くなるのです。
この説明だけ聞くと、モノの値段が安くなるデフレの方がモノが安くなってラッキー!と思うかもしれません。
実際に小泉政権時代の竹中平蔵大臣は国会答弁でデフレに対して肯定的な発言もしています。
が、実際はそうではありません。
なぜなら、下記の図のとおり、
・物価が下落する
・企業の利益が減る
・企業は利益を確保するために従業員の給料を減らしたり、昇給しなくなる
・給料が減る・上がらなくなるので、個人は消費に消極的になりより安いものしか消費しない(又は消費そのものが減少する)

このような循環に陥ることを「デフレスパイラル」と呼びます。
一般的には、最初の物価下落の場面だけをデフレと呼びますが、その先にはこういった悪循環の可能性があるのです。
これが「デフレは経済を殺す」と言われる所以です。
なお、デフレは経済にとっての毒(もちろん行き過ぎたインフレも経済には悪い)ですが、デフレは金持ちを作るともいわれています。
なぜなら、デフレでモノの値段が下がると資産(不動産や株など)の価格も下がるため、デフレ下ではこれまでより安く資産を購入することができます。
これが、でデフレからの脱却と同時に資産価値の増大を生み、金持ちとなる理由です。
ウィズコロナ、アフターコロナの世界がどのような経済情勢を招くのかはまだ見通せませんが、インフレとデフレを理解していれば、取るべき行動を考える際の一助になりそうです。
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