ぽこぺんです。
会計を学んだことがある人にとっては常識だと思いますが、そうでない場合、言葉は聞いたことあるけどよくわからないとか、そもそも聞いたこともないかもしれない言葉。
不動産投資においては利益を出す上では理解することが必須の項目。
それは、減価償却費(げんかしょうきゃくひ)。
今日は減価償却費について書いてみます。
そもそも減価償却費とは「費」という言葉が表すとおり費用となるお金のことを指します。
ただし、普段のお買い物などの費用と異なり、長い期間使用するものに対して適用する会計上の費用です。
例えば、今年(2021年)ある工場で商品を生産するための機械を1億円で購入したとします。
この機械は5年間は利用可能で、1年間で2億円分の商品を生産(売上)できるとします。
なお、生産のための原材料は1年あたり1億5千万円かかるとします。
そうすると、機械を購入した年は1億円の機械購入費用と原材料の仕入れ1億5千万円で2億5千万円の費用が掛かり、売上は2億円ですから、
2億円 ー (1億円 + 1億5千万円) = ー5千万円
となり、機械購入初年度(2021年)は5千万円の赤字になるようにみえます。
しかし、会計上はそのように考えません。
なぜなら、購入した機械は5年間使えるわけですから、購入した年にすべての購入費用を計上すると、残りの4年間は購入した機械をタダで使っている状態になってしまいます。
最初から5年使えると分かっている機械なのに費用だけ初年度にまとめて計上してしまうと、費用の負担が利用する期間に応じて計上されていないことになってしまいます。
そこで、費用と利用可能期間のバランスを保つために減価償却費という概念が生まれます。
上の例で言えば、1億円の機械を5年に渡って使用するので、
1億円 ÷ 5年 = 2千万円
が適切な費用となります(定額法)。
そしてこの2千万円を減価償却費といいます。
つまり、今年(2021年)の損益は
2億円(売上) ー 1億5円万円(原材料) ー 2千万円(減価償却費) = 3千万円
そう、3千万円の利益となるのです。
超極端に言えば、減価償却費とは、実際にかかった費用を使用期間に案分することなのです。
で、不動産投資をするときはこの制度を上手く使って利益を圧縮できるのです。
例えば、売上として年間200万円の家賃収入がある場合、建物の減価償却費として毎年300万円の費用が生じれば、会計上は年間100万円の赤字です。
つまり、利益がないので税金が生じないのです。
(減価償却費以外の費用はないものと仮定)
しかし、実際には不動産を購入した時に一括してお金を払っているので、毎年建物の購入のために払うお金はありません。
なので、会計上は赤字なので税金はかからないのに、手元には200万円の家賃(利益)が丸々残るということになるのです。
(実際には銀行融資の返済があるでしょうから200万円が丸々残ることはないでしょうけど。)
なお、今回は定額法という期間で費用を単純に案分する方法で計算しましたが、定率法という方法もあります。
どんな時にどちらの方法を使えるかは決まっていますのでそこはもう少しぽこぺんも勉強します。
会計の知識として知ってはいましたが、実際に自分が減価償却費と言う概念を会社の仕事とは別に使う可能性があるなんて昔は思ってもみませんでした。
不動産投資は税金との闘いとも言われますから、会計の勉強は必須ですね。
小さな一歩でこつこつと。